会社は何のために存在するのか 「PURPOSE」 マガジンレビュー

ミッション、ビジョン、バリューなど方向性を示すステートメントのほとんどは、組織自体を中心に据えている。(中略)ところが、「パーパス」の記述は組織を裏返し、その内部を表に出す。パーパスとは、組織を外から見つめ、事業が人々の生活にもたらす違いを考えるものなのだ。(本誌より)

これまでの記事でも触れている、弊社で提供する、自社あるいは自社ブランドの価値を共創によって可視化、共有化する 「Value Story Workshop」

最近では、自社が目指す ありたい未来を考える上で、シンギュラリティ大学で教える、MTP(Massive Transformative Purpose 野心的な革新目標)の策定もワークショップのカリキュラムに組み入れていますが、MTPも含めて、そもそも違いがわかりにくい、ミッションやビジョン、バリューそして、今回のハーバード・ビジネス・レビューでも特集されているパーパス。

今回は、HBR 2019年3月号 特集のキーワード 「パーパス」 にフォーカスし、グラハム・ケニー氏の論文から、ミッションやビジョン等との違いを整理してみました。

●ビジョン、ミッション、バリューの定義

シドニーを拠点に戦略策定を行うストラテジック・ファクターズ社 グラハム・ケニー氏の定義を紹介しましょう。

ビジョン:会社がここ数年間でどんな組織になりたいかを述べるもの
→経営層が日常業務活動を超えた視点で、明確かつ覚えやすい形でまとめる

ミッション:会社が関わるビジネスを現在と将来において説明するもの
→管理者層と社員に対して定めるべき焦点を提供する

バリュー:望ましい企業文化を説明するもの
→行動上の指針をまとめる

なんとなくバリューの定義だけは、違和感がありましたが、企業が社会へ提供する価値ではなく、自社内で考える価値観であることを改めて認識しました。

ちなみに、サステナビリティ先進企業として有名なユニリーバが2000年に買収された、アイスクリームメーカー「ベン&ジェリーズ」 のWebサイト グローバル・メニューの一つには、Value のキーワードが並んでいます。日本語サイトは、B&Jの価値観 と訳されていますが、コンテンツを確認すると、まさにバリューは、事業を進める上での行動規範をまとめた内容でした。

ベン&ジェリーズ Webサイトより

●社内外を巻き込む 「パーパス」

パーパスを日本に訳せば、「目的」となりますが、ビジョン、ミッション、バリューが組織内部を中心に据えているものとする一方で、パーパスは、「組織を外から見つめ、事業が人々の生活にもたらす違いを考えるもの」 としています。
自分なりに整理すると、「会社は何のための存在し、あらゆるステークホルダーに対して、どの様なインパクトを与え、どんな社会的価値を提供するか?」 といったとこでしょうか。

ちなみに、フィリップ・コトラー氏は既に、2013年に、従来の4つのP(Product、Place、Promotion、Price)に加え、5つ目にPつまり、Purposeが必要であると発信しています。
Passionate in Marketing記事より

まさに、Markeitng3.0の目的として提唱する、「世界をよりよい場所にすること」であり、パーパスは、そのために企業は何が出来てどう考えているかを社内外に発信するためのものと考えて良いでしょう。

また、本誌では、幾つかの企業のパーパスが紹介されていました。
ミッションやビジョンと比べて、明らかに社外を意識し、あるべき姿を力強いメッセージとして発信していることが理解できます。

・REAグループ(不動産関連企業):不動産を売買する顧客のために、不動産取引のプロセスをシンプルに、効率的に、ストレスフリーにする

・ING:生活とビジネスで一歩先へ進めるように人々に力を与える

・ケロッグ:豊かな繁栄をもたらすように家族に栄養を

・IAG(証券会社):人々がリスクを管理し、予期せぬ損失から立ち直るのを助ける

併せて、本誌特集冒頭のネスレ日本 高岡社長のインタビュー記事を読めば、よりパーパスが理解できるでしょう。
そして、ネスレのパーパスは、「生活の質を高め、さらに健康な未来づくりに貢献します」
パーパスをネスレ社内で提唱したのが、現会長のポール・ブルケ氏との事。CSVを実現するうえで、株主や従業員をはじめ、ネスレの全ステークホルダーと基本的な価値観の共有の必要性があるから。

「CSVやビジョンを達成するうえで、ネスレという会社が何のために存在しているのかを、ます理解してもらうべきである。そこから、ネスレのパーパスが生まれました。」(高岡社長)

その他、中川政七商店の会長のインタビュー、BIOTOPE社の社長のパーパス・ブランディングの実践に関する記事等、読み応え満載のHBRでした。

Staff Blog:萩谷 衞厚

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