ソーシャルグッド・パートナー対談   石川淳哉氏 第1回

この春からタッグを組み、さまざまなCSVのプロジェクトをスタートさせたエンゲージメント・ファースト代表原裕とソーシャルグッドプロデューサー・石川淳哉。CSVのエヴァンジェリストを自認する2人による対談第1回は、時を同じくしてソーシャルグッドの社会実装を始めた二人が運命的に出会い、共に歩き始めることになった経緯と、今後の取り組みについてご紹介します。

聞き手・文/水谷美紀

正反対の二社がタッグを組んだ!

原  石川さんは『ソーシャルグッドの男』として100%ソーシャルグッドを掲げ、実に幅広く活動をされています。僕と石川さんは昨年、共通の友人を介して知り合いましたが、剣持(メンバーズCEO)とは以前から面識があったそうですね。

石川 はい。ただその時はプライベートだったので、仕事の話はほとんどしませんでした。そういえば剣持さんと初めてお会いした時、僕が御殿場でやっている無農薬の農園まで来ていただいたので、お土産に採れたての大根をお渡ししたんです。そしたら「とても美味しかったです」と、すぐお礼のご連絡をくださって。100%ソーシャルグッドを目指して始めた農園の野菜ということもあって、とても嬉しかったです。振り返るとその時から御縁があったのでしょう。

原  石川さんはソーシャルグッドプロデューサーの仕事とは別に(株)ドリームデザインというクリエイティブブティックも経営されています。特にデジタルを使った広告に強いことで知られており、数々の広告賞も受賞されています。会社を設立された時期もメンバーズと同じくらいなんですよね。

石川 ドリームデザインの設立は1998年です。以前は別の社名だったのですが、インターネットの登場で新しいクライアントが一気に増え、仕事の幅も広がったため今の社名に変更しました。以来『ユメ ヲ カタチ ニ』をコンセプトに、あらゆる手法を使ってさまざまな夢を形にするクリエイティブを作っています。

原 やはり近いですね。メンバーズの設立が1995年、僕がJ. Walter Thompsonを経て入社したのが1999年です。メンバーズはインターネットを使って流通革命を興し、世の中をより良く変えていこうと考えて生まれたネット・マーケティング支援の会社ですが、メンバーズという社名には、自社だけでなくクライアントやそのクライアントのお客様、自社スタッフ、その家族といった関係者すべてが幸せになるようにとの想いが込められており、『“MEMBERSHIP”でマーケティングを変え、心豊かな社会を創る』をミッションに掲げています。そして2012年に子会社として誕生したエンゲージメント・ファーストは、意義あることを企業、顧客、関係者と共創すること=エンゲージマーケティングでマーケティング革新を起こし、より良い世の中にすることをミッションに掲げています。

石川 ミッションをうかがうと、我々はもっと早くに出会っていても良さそうなのに、これまでまったくお会いしませんでしたね(笑)

原 まったくです(笑)。同じデジタルの分野とはいえ、フィールドがまったく違ったからでしょう。

目指すのは社会価値と経済価値の両立

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石川 両社の歩みを振り返ると、僕と原さんの人生はパラレルワールドのようです。ドリームデザインという会社は最高のクリエイティブを作り、納品したらそこで終わる。サイトなどの運用は他の会社に任せる。そういうやり方を貫いて来ました。クリエイティブに特化していたため、運用には弱かった。というより、あえてタッチしなかったんです。運用までお願いできないかと言われることが増えた時に、思い切ってそこは切り捨てるという決断をしたんです。

原  面白いですね。その真逆の道を選んだのがメンバーズです。僕達も当初は運用以外の業務にも力を入れていました。2005年くらいまでは構築を主体にしていたのです。けれども大企業のクライアントから継続的なお付き合いを依頼されることが増え、つまり運用のニーズが高まったため、運用業務に集中するようになりました。

石川 それがこうしてソーシャルグッドをきっかけに出会うのだから不思議です。しかも、会ってみたら剣持さんや原さんも含めメンバーズの役員全ての人とすごく話が合った。こんなに合う方々がいたのかと驚いたくらいです。

原  方法論は違ったけど目指して来たゴールは同じだったからでしょう。且つ、互いにこの3〜4年力を入れている『デジタルで世の中を良くしていこう』という部分も合致している。

石川 なかなかそこまで一致する人に出会えませんよね。CSVは社会を良くする活動だけど、同時にビジネスでもある。それを正しく理解し、実践しようとしている人はまだ多くありません。

原  その点がもっとも重要なんですけどね。今はもう単にITで儲けようという時代ではないけれど、かといって僕達はボランティアやCSRを目指しているわけではありません。目指しているのは社会価値と経済価値を同時に実現するCSVで、石川さんも同じ考えでした。そこが石川さんとなら一緒にビジネスが出来ると考えた最大の理由です。

石川 今こういう話をしているのは原さんや僕くらいですが、あっと言う間にソーシャルグッドやCSVが当たり前の時代はやって来るでしょう。けれども今はまだ一般に浸透しているとは言えません。原さんと僕は、いわばCSVのエヴァンジェリストみたいなものですね。

原  かといってずっとエヴァンジェリストでは僕達が成り立たないので、僕達もちゃんとCSV化しないとダメだよねと(笑)。いつも石川さんに会うと、この話になりますね。

力を合わせて、未来を変えよう

石川 僕は昨年、伊方原発が再稼働した時に、自分ひとりで世界を変えるのは難しいとつくづく悟りました。自宅に太陽光パネルを入れ、電気自動車も購入し、無農薬野菜も作り、大分で温泉力発電を始めても、おふくろが住んでいる田舎のすぐ近くにある原発が再稼働するのを止められなかった。これには正直、打ちのめされました。ひとりで頑張ることの限界を感じたんです。そんな時に原さんと出会えた。エンゲージメント・ファーストのような会社を作られたことはとても素晴らしく、同時にとても大きなチャレンジだと感じました。ですから僕も自分の出来る事で協力したいと思ったし、反対にこれまで一人でやって来た事も、原さんとなら世の中を変えられる領域まで行けるんじゃないかと思っています。

原 僕のほうも、石川さんと知り合ったことで可能性が広がりました。今までの我が社の提案は少し左脳で考え過ぎていたため、クライアントにとって具体的なイメージが浮かびにくいということが度々ありました。これからはもっとデザイン思考でやって行かないといけないと痛感していた時に、広告クリエイティブの第一線で活躍して来られた石川さんと出会えたのは幸運だと思います。これからは石川さんのお力もお借りして、ますます幅広く、深く、クリエイティブに事業展開していく予定です。

石川 今後、僕はエンゲージメント・ファーストが持っている案件がソーシャルグッドな展開をする際のコンサルティングやプロデュースをおこない、クリエイティブも作っていきます。一方、僕の仕事に関しては、運用などのサポートをエンゲージメント・ファーストにお願いします。また、僕と原さんで日本一SDGsに強いコミュニケーションチームを結成し、今までにない、さまざまな新しいプロジェクトを展開していく予定です。

原  両者の強みを活かし、世の中を良くするということと、ビジネスとして成り立つこと。この両立を一緒に実現できる最強のパートナーと出会えて本当に嬉しく思います。まずは石川さんとエンゲージメント・ファーストで、多くのクライアントのCSV化をサポートとしていきたいと思います。

【プロフィール】

石川淳哉(いしかわ・じゅんや)

ソーシャル・ グッド・プロデューサー。株式会社ドリームデザインCEO。1962年大分県生まれ。世界のさまざまな社会課題を解決するために、クリエイティブの可能性を追求する人生と決断。 主な仕事に、ベストセラーとなった書籍『世界がもし100人の村だったら』、世界初のパブリックビューイング『2002 FIFA WORLDCUP PUBLICVIEWING IN TOKYO』、世界中てで展開中のピースアートプロジェクト『retired weapons』、大ヒットアルバム『日本の恋と、ユーミンと。』のプロデュースなどがある。カンヌ国際広告賞金賞、NYADCなど受賞歴多数。BMW次世代電気自動車i3の情報編集⻑。内閣府防災ポータル『TEAM防災ジャパン』、助けあいジャパンと日本財団で共同運営する災害緊急情報支援サイト『いまできること』。自宅に太陽光発電を導入、EV車にシフト。 5108BASE(御殿場に創った農園&CAMP場)で完全無農薬野菜生産中。現在、出身地である大分県別府市、箱根町で温泉力発電を開始。防災士。

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